2022-05-09 その頃わたしはまだ 詩 虹の行方を尋ねましたね 庭に駆け出す小さな足で あれは、たしか夏の初め まだ見ぬ向こうに触れたくて 尻尾はそのたび凛と鳴り その頃わたしはまだ 羽ばたき空飛ぶネコでした 雲の大きさを尋ねましたね 夕日の染める柔らかな頬で あれは、たしか橋の上 「自分」がいるのも知らないで 《いちばんきれい》を追っていた その頃わたしはまだ パパとママと空でした