もう5年ほど前になりますが、2017年の8月末、ふと日本海側を旅してみたくなりました。いろいろ調べていると、新潟県村上市の山間部に一泊1200円の自炊型の滞在施設があるのを知り、のんびりできそうだと3泊することにしました。
そこは新潟県の最北、山形との県境に近い「山熊田」という過疎化の進む集落でした。山あいの豪雪地帯で、耕作地も限りがあることから、山の恵みを最大限活用した生活が営まれてきた土地です。
見たところ20世帯弱くらいの小さな集落で、商店等は皆無。最寄のお店へは海沿いの府屋という地区まで車で30分程。道路事情が悪かった昔は冬は豪雪で集落が孤立するのがデフォルトだったとか。地域の伝統的な生活様式を伝承する「さんぽく生業の里」という施設に飲料の自販機が辛うじて1つあるだけでした。
施設の建物は一棟ですが、大小2区画に分かれており、私は一人でしたので小さい方(四畳半の1LDKサイズ)でした。大きな方の区画は二階まで使え、5、6人位なら余裕で泊まれそうな広さがあり、もし定員マックスのグループ客がいたらかなり賑やかなことになりそうでしたが、もう8月末の平日でしたので滞在者は私だけで静かに過ごせました。
施設は、集落に住む大滝さんという方が市から委託を受け管理をされていました。施設の利用者は基本釣り客が多いらしいのですが、私は特に何が目的ということもなく、強いて言えば滞在中に星空の撮影がしたかったので、天の川は見られるかとか、集落の奥の山道を夜出歩いても平気かとか尋ねるので、少し不審に思われたかもしれません。(結局撮影はしませんでしたが)
スマホの電波は弱く不安定。wifiも無く、結局畳の上で読書&喫煙三昧。
暗くて分かりにくいですが、電灯が点っているあたりが私が泊まった区画の玄関先。施設の庭は花火とかバーベキューパーティーができる広さで、写真には写っていませんがテラスのようになっている部分があって夕涼みや食事にちょうど良い。
山熊田の夕空。天候は変わりやすく、星空があまり拝めなかったのが残念。
市のウェブサイトには施設の利用案内の概要が記載されていますが、委細は大滝さんとの交渉次第という感じ。例えばチェックイン、チェックアウトの時刻は柔軟に対応して頂き、朝寝坊の身としては大変助かりました。
山熊田は古くからの山の生活文化が今なお息づく地として、テレビや書籍でも度々取り上げられたことがあるようです。
Wikipedia にも最近になって山熊田の項目が出来たようです。
またお邪魔してみたいですが、その時にはそんな山の伝統文化の一端にも触れてみたいものです。
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